【デザイン×教育】「デザイン思考」が学べる日本の教育機関7選

「プログラミング」と「ヒップホップダンス」。これら2つは、かつて教育現場で教えられてはいませんでした。しかし、今、これらが教育現場に取り入れられているように教育も時代の求めに応じて着実に変化を遂げています。それでは昨今必要性が話題になっている「デザイン」は、教育現場でどのように扱われているのでしょうか?

新しい「デザイン」と教育の新時代

みなさんは「デザイン教育」と聞いた時、なにを思い浮かべますか?
絵を描いたり、作品を作る図工の授業でしょうか?
この記事で取り上げるデザインとは、「デザイン思考」のことです。
昨今「デザイン思考」などの重要性が認知されはじめている背景を踏まえ、如何にして日本の教育現場でデザイン思考が認識・教示・活用されているのかを調査してみました!

この記事を読んでくださっている方の中にも、「デザイン」という言葉から芸術分野を連想する方も多くいるのではないでしょうか。もちろん芸術も「デザイン」の1つの分野ですが、今「デザイン」という言葉は芸術分野のモノに対してだけではなく、ビジネスなどのコトに対しても活用され、その有用性が広く認知され始めています。

2018年5月23日、経済産業省・特許庁が「デザイン経営」宣言を発表しました。IIS-RCAデザインラボと広島市⽴⼤学芸術学部共創ゼミが「⾼度デザイン⼈材の育成」の例として挙げられており、ビジネス系人材がデザイン思考を身につけることや、芸術系大学でビジネス・テクノロジーの基礎を学びそのスキルを活用していくことが重要視されはじめています。以下では、「デザイン思考」が学べる教育機関を7つご紹介します。

日本の大学での「デザイン思考」教育機関と事例

東京大学i.school

https://ischool.or.jp/

東京大学i.schoolは、2009年に東京大学「知の構造化センター」内に設立された機関です。「イノベーションの起こし方」を学ぶための教育プログラムで、プログラムの特徴は「人間中心イノベーション」に焦点を当てていることです。現在は、当初の教育対象(大学院生)だけでなく、社会人の方も一般参加者として「イノベーションの起こし方」を学ぶことができます。

i.schoolでは「デザイン思考」そのものを学ぶというより、それを活用して他分野でイノベーションを起こしていけるようなカリュキュラムが準備されています。2018年度では、「農業の未来」という、これまでデザインと掛け合わて考える機会が少なかった分野も1つのテーマとなりました。「デザイン思考」を活用して多くの分野の未来を創造していくことは興味深いと思いませんか?

千葉工業大学 創造工学部 デザイン科学科

http://www.it-chiba.ac.jp/faculty/eng-2015/design/

千葉工業大学創造工学部デザイン科学科は、「デザインの目標に関する知見」と「目標を設定する各種の知識」、「目標を達成する方策の知識」が修得できる大学学部生向けのコースです。

デザイン工学科は、プロダクトデザイン・情報デザイン・インテリアデザインの3種のコースが準備されています。それぞれのコースにあるテーマから「人々の生活を豊かにするデザイン」という専門性に特化しつつも、「デザイン思考」など広義のデザインを学ぶことができると思います!

慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)

https://www.kmd.keio.ac.jp/ja/

慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科(通称:KMD)は、デザイン思考をベースとした豊かな創造力で0から1を生み、その生み出したものに対してグローバル戦略を練り、社会的価値や経済的価値を付加して、ストーリーテリング法を駆使し社会に送り出していくスキルを学ぶことができます。英語と日本語を公用語とし、国内外問わず幅広い年齢層の方々が共に学ぶ環境です。

KDMの公用語は、英語と日本語です。これにより国内外問わず人材が集まってきます。仕事と学業を両立している人も一定数いるようで多種多様な、人が共に学んでいます。多くの人が「デザイン思考」など広義のデザインの可能性を信じて研鑽を積み、実社会で活躍されています!

同大学院の委員長である稲蔭 正彦氏は、KMDのミッションを下記のように語られています。

慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科(通称:KMD)は、イノベ ーションを自ら生み出し、社会に向けて価値を創出する能力を持つ「メディア・イノベータ」の育成をミッションとしています。(慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 委員長 稲蔭 正彦)

https://www.kmd.keio.ac.jp/ja/message-from-dean

京都大学デザインイノベーションコンソーシアム

http://designinnovation.jp/index.html

京都大学デザインイノベーションコンソーシアムは、京都大学デザインスクールと産業界・行政の連携により、領域横断的な問題発見・解決を行うために設立されました。具体的な活動として、京都大学デザインスクールと連携しながら、会員企業の方々に複数のプログラムを企画提供しています。例えばデザインセミナーでは、講義と「デザイン思考」を実践するワークショップを組み合わせたもので、「デザイン思考」を体験し理解を深めていけると思います!

一般社団法人Eirene University (旧:一般社団法人デザイン思考研究所)

https://designthinking.or.jp/index.php?about

一般社団法人Eirene University (旧:一般社団法人デザイン思考研究所)は、高度知識基盤社会で活躍するあらゆる個人と組織に対して、永続的な価値提供を行うために2013年に設立された事業型の非営利組織です。「デザイン思考」を学習のテーマに、スタンフォード大学d.schoolによるデザイン思考を扱った教材の翻訳版などを無料で公開しています。無料で提供している資料も多く基礎的なものから応用編まで多岐に渡ります。例えば「デザイン思考 55つのステップ」などを無料でダウンロードして、自分のペースで「デザイン思考」への理解度を高め難易度を上げていきながら実生活で「デザイン思考」が実践できるようになっていきませんか?

X Design Academy

http://www.xdlab.jp/

X Design Academyは、2017年5月にスタートした社会人のための新たな学校です。社会をよくするデザインの学びと研究する楽しさを追求する場所を提供しています。ベーシック・マスター・アドバンスの3コースに分けられ、それぞれのレベルに合った教育を受けながら着実にスキルアップできます。

2016年度から「デザイン思考」や「サービスデザイン」などを基礎にプロトタイプを作成し、この分野で日本で最高の最高の学びと研究を実現するべく日々進化を遂げています。さらに、「未来の学校体験」もテーマの1つに加え、教育内容だけでなくコミュニティのデザインにまでこだわっている学校です。あなたも未来の学校を体験しながら「デザイン思考」を学んでみませんか?

武蔵野美術大学 造形構想学部 クリエイティブイノベーション学科/大学院 造形構想研究科 クリエイティブリーダーシップコース(2019年4月開設予定)

http://ci.musabi.ac.jp/

武蔵野美術大学造形構想学部の新しい学科・コースは、年次によって基礎・教養課程を受講するようです。興味深いのは、2年間の基礎課程で行われる「造形実習」です。ここでは、アートやデザインの実技を学ぶそうですが、実習を通じて「物事を造形的に考える方法」を学ぶことが最大の目的だそうです。また、専門課程では、全員が「クリエイティブイノベーション演習」を履修し、企業における諸課題を解決するプロジェクトを企画・立案、設計していくためのトレーニングをする場が提供されるそうです。

基礎課程では、旧来の一般的に考えられてきたモノのデザインを通じて、その先にある物事の考え方を学び、専門課程では、今、社会が必要としている人材になれるような実践的な教育が行われるとのことで、今後の動きに注目です!


以上7校が「デザイン思考」を中心に、人間中心設計やUX(User Experience)などの分野も学べる教育機関です。これ以外にもいくつかの機関があるようなので、興味がある方はぜひチェックしてみてください!

・ 情報科学芸術大学院大学(IAMAS)
・ Human Centered Design Organization(HCD-Net)

まとめ

現在、日本の義務教育で「デザイン思考」などの新しい考え方のデザインが科目として教えられている機関を探し出すことはできませんでした。日本の義務教育機関では未だ「デザイン思考」などを教える段階には達していないようです。

一方、日本の大学等の高等教育機関では、徐々に新しい考え方の「デザイン」が学べる場が増えてきてます。今後、新しい考え方の「デザイン」が広まっていくためには、まず、私たちの世代が「デザイン」の知識をつけて活用し、さらにその有用性を訴えていくことが重要であり、日本の「デザイン教育」が前進していくと信じています。

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