読みやすい文章とは?読者視点を心がけるライティングのメソッド

皆さんは、読みやすい文章とはどんなものか、他人に伝えることはできますか。

私はエディターとして、日々たくさんの記事を校閲したり、編集しています。
そんな業務の中で、「ここが読みにくいので、修正してください」と言うだけでは、どこがどう読みにくいのかが伝わらないのでは、と感じていました。

そこでこの記事では、文章の要素を分解して、「読みやすさ」と向き合ってみたいと思います。

例文と共にいくつかのヒントをご紹介するので、あなたのこれからの文章が、シンプルで美しいものになることを願っています。

0. 読みやすさは作れる

「読書をしないから、文章が苦手」「ボキャブラリーに自信がない」と考えているなら、その心配はいりません。

“カワイイ”が作れるように、“読みやすさ”も作ることができます!

ここでご紹介するのは、ロマンチックで詩的な表現や、比喩のテクニックではありません。
最低限の読みやすい文章は、少しの心がけで設計できると私は考えています。それでは、さっそく確認していきましょう。

1. 一貫性を保つ

1-1. 表記の統一

文章を書く時は、表記を統一してください。
表記がバラバラだと、無駄な情報が増えてしまいます。読者は混乱した時に、「読みにくいな」と感じます。

NG :

私は猫が好きです。ねこは気まぐれでわがままですが、人を束縛しません。それがネコの魅力だと思います。

「猫」「ねこ」「ネコ」での表記揺れがあることで、同じものを指していると認識しづらくなっています。

GOOD! :

私は猫が好きです。猫は気まぐれでわがままですが、人を束縛しません。それが猫の魅力だと思います。

「猫」で表記を統一し、情報量を絞ることで、読者には伝えたいメッセージだけに集中してもらうことができます。

1-2. 文体の統一

「ですます調」「である調」どちらかに統一して文章を書き進めましょう。文章に一貫性を持たせることは、読者の意識を分散させないために必要な心がけです。

また、文体に合わせて一人称を使い分けることで、文章にキャラクターが乗せやすくなります。

吾輩は猫である」と「僕は猫です」では、文章から感じ取るイメージが異なりませんか。
(個人的には、前者は歳をとった貫禄のある猫、後者はおどおどした若い猫を想像します。)

媒体によって、最適な文体や一人称を選び、一貫して使うことが大切です。

1-3. 記号の統一

文章内の句読点は 、 。 もしくは . , のどちらかに統一しましょう。

どちらを使うかは自由ですが、一般的に理工学系の資料では . ,が使われることが多いそうです。

2. 流れを意識する

2-1. 例文問題

あなたが書籍を紹介するブログの執筆を任されたと仮定します。

お題 : 書籍「イシューからはじめよ」の紹介文
字数 : 400字以内

早速、例文を書いてみました。読みやすいかどうかを意識しながら読んでみてくださいね。

こちらは多くの人から、「職種に限らず頭を使う仕事をしている人なら必ず読むべき」と言われている本です。

タイトルにある「イシュー」とは、 「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の両方の条件を満たすもの、ということで、この本ではまず問題設定の段階から見直そう、という考え方が紹介されています。

「教養として読んでおくべきだ」と友人が話していました。

私は以前にも、この本を勧められた経験があります。

プロジェクトを進める上で避けては通れない「問題解決」の考え方を、この本を読んで身に付けたいですね。

いかがですか?実はこの文章は、NG例として書いています。

皆さんも読みながら、引っかかる部分をいくつか感じたのではないでしょうか。

2-2. 読みにくさの要因

上記の文章を読んだ時の引っかかりの要因として、挙げられる点は2点です。

  • 概要や所感などの構成が整理されていない
  • 書き手と推薦者の視点が混在している

文章における構成と視点について、具体的に要素を書き出すと、以下のように分解できると思います。

構成

Ⅰ.書籍のオフィシャルな概要
Ⅱ.世間や推薦者からのコメント
Ⅲ.書き手の所感

視点

A.出版社,概要の客観
B.推薦者の主観
C.書き手の主観

上記を踏まえて、先ほどの文章の構成と視点をもう一度確認してみましょう。
一文ずつに、構成と視点を付け加えてみました。

こちらは多くの人から、「職種に限らず頭を使う仕事をしている人なら必ず読むべき」と言われている本です。Ⅱ×B

タイトルにある「イシュー」とは、 「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の両方の条件を満たすもの、ということで、この本ではまず問題設定の段階から見直そう、という考え方が紹介されています。Ⅰ×C

「教養として読んでおくべきだ」と友人が話していました。Ⅱ×B

私は以前にも、この本を勧められた経験があります。Ⅲ×C

プロジェクトを進める上で避けては通れない「問題解決」の考え方を、この本を読んで身に付けたいですね。Ⅰ×C

読みにくさの要因がハッキリして、分かりやすくなってきました。

構成と視点が整理されていない=客観と主観が混在していると考えられます。これこそが、読者を混乱させる要因だと分かりました。

2-3. 仮説

混乱の要因が特定できたため、Ⅰ.概要→Ⅱ.推薦コメント→Ⅲ.所感の順番で構成され、A.第三者の客観, B.第三者の主観, C.書き手の主観の視点を織り交ぜることで、誰でも読みやすい文章を書ける、という仮説が生まれました。

2-4. 検証

仮説にならって、リライトした文章が次の通りです。

本書ではイシューという言葉を、
「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の両方の条件を満たすもの。(出典:https://〜〜)
と、定義しています。 Ⅰ×A

この本では「本当に解決しなければならない問題はどれなのか」と考えることで、問題設定の段階から見直す本質的な思考法を学ぶことができるようです。 Ⅰ×C

周りの友人からは、「教養として読んでおきたい」「職種に関係なく、ビジネスに関わる人にオススメ」というコメントがありました。Ⅱ×B

根本的な問題設定を正しく行うことは、本質的なものづくりに繋がると思うので、まずは「イシューからはじめる」姿勢を学びたいです!Ⅲ×C

初めの文章と比べて、書籍の紹介文としては「まぁまぁ」なラインにようやく立てたのではないでしょうか。

概要について客観・主観の両方から述べることから始まり、徐々に書き手の主観に移り変わっていく流れの構成になっています。
このように、文章全体の流れを意識することで、読者にとっても共感しやすい文章になったのではないでしょうか。

3. 結論「読みやすい文章」とは?

文章を細かく要素分解する中で、読みやすい文章とは伝わりやすい文章とイコールであると感じました。
「この書き方をすると、読者はどう捉えるだろう?」と、常に想像することが大切なのではないでしょうか。

あらためて、読みやすい文章を書くためのTipsをおさらいしましょう。

客観的事実から述べる

読みやすさを優先するなら、まずは事実や概要を提示することをオススメします。
書籍紹介の例文のNG例と同じく、読者が欲しい情報は何か?という視点が欠けてしまうと、客観と主観が混在しがちです。

最後に主観を添える

客観的な事実だけをまとめた文章には、個性がありませんよね。そこで、ファクトやデータに基づいた、あなたなりの考察を加えることで、独自性のある文章が完成します。

全体の流れを意識する

文章の流れが止まったり、逆行していないかどうか、終始意識しながら書き進めましょう。自信がなくなった時は、口に出して文章を読んでみることも効果的です。


今回ご紹介した内容は、とても基礎的なものです。しかし、文章を書くことが苦手な人への導入として、参考にしていただければ嬉しいです。

どう書けば適切な伝わり方をするのか、読者の視点で考えることで、文章の質は向上すると思います。ブログや資料作り、手紙を書く時などに、ぜひ実践してみてくださいね。

ABOUTこの記事をかいた人

Kaori Sugimoto

エディターをしています。デザインをもっと身近に感じてもらえるように、色々なコンテンツをお届けします!