先日、渋谷ヒカリエにあるDeNAのサクラカフェにて、UI Crunch #11が開催されました。UI Crunchについてはこちらをご覧ください。

今回は「FinTech特集」として、FinTechスタートアップで働く4名のデザイナーのみなさまと、Fintech協会 / NTTデータ経営研究所の桜井さんにご登壇いただき、FinTechへの熱い想いや、デザイナーの役割についてお話しいただきました。

お金とデザインの関係|株式会社NTTデータ経営研究所 / 一般社団法人Fintech協会 桜井 駿さん

桜井さんは『決定版 FinTech』の著者であり、経営コンサルタントの会社で働きながらFintech協会で事務局長を兼任しています。アメリカのチャットサービス企業のアドバイザーもしており、3枚の名刺を持って活動している方です。以前は金融機関で働いていた経験もあるそう。
トップバッターとして、“FinTech”と“金融機関”それぞれの現状を踏まえた、“FinTechの今後”についてお話しいただきました。

“FinTech”の現状

FinTechと対極の位置にあるのが、伝統的な金融機関のコミュニティです。
現在、日本には1536社の金融機関が存在します。一方で、新しいことにチャレンジして先進的な体験を生み出すFinTechスタートアップ領域は、金融の括りで見るとまだまだ少数派でニッチなものです。

お金は利用者の目的を達成するためのツールであり、金融はお金を融通するための橋渡し役。良いユーザー体験のためには、原点に立ち返り、金融サービスを使いたい人たちの目的を読み解くことが重要とのことでした。

“金融機関”の現状

大手金融機関は、決して後進的でこれまで何もしてこなかったわけではありません。金融が社会インフラとなっている点、その中で伝統的なしがらみや、国や地域を含めた数多くのステークホルダーの存在とそれぞれからの期待の違いからチャレンジがしにくいだけなのです。

桜井さんが考えるデザインは「顧客視点でのサービス作り」。金融機関の多くは、先のステークホルダーの多さから必ずしも利用者を中心とした「顧客視点」が実施されているとはいえず、そういった点では顧客ファーストのFinTechスタートアップ領域の人々と対極の位置に存在すると言えます。

既存の金融機関は手段ありきの考え方になってしまいがちです。これではなかなか顧客の視点が見えてきません。一方でデザイン思考がインストールされていると、「誰に・どんな問題を・どんな価値を」が意識できますよね。

“FinTech”の今後

FinTechの流れとしては、4つのステップがあります。現在踏んできたのは破壊脅威のステップです。

①破壊
インターネットを活用して、「より安く・より早く・より便利に」を追求し、既存の金融機関から顧客を奪う形で金融サービスを便利にする

②脅威
米国や中国の一部の会社では、急成長し既存の金融機関に対して脅威的な存在となりつつある

そして現在FinTechは、協業再定義のステップ間に存在しています。

③協業
既存の金融機関が持っている顧客のデータを活用したサービス開発や、金融機関の顧客基盤を活用したFinTechサービスの提供

④再定義
新しい技術を用いたり、法規制を顧客視点で解釈して、お金や金融の在り方を再定義

金融を前面に出すだけではなく、未来のお金の姿や在り方を考えて提供していくのが我々だ、と強い言葉で締めていただきました。

個人間送金Kyashが考える、送金体験の未来|株式会社Kyash 矢部 雄祐さん

株式会社Kyashは、「かんたん送金、そのまま使える」がコンセプトの個人間送金サービス『Kyash』を提供しています。本イベントでは、KyashのサービスUIデザイナーを務める矢部さんにご登壇いただきました。

Kyashが描く”個人間送金”から広がる未来

Kyash、そして個人間送金によってどんなソリューションを提供できるのか、具体的な展望と合わせて3点ご紹介いただきました。

Kyashが目指すのは割り勘や送金の手間を省くことだけではなく、新たな価値と流通の仕組みを生み出すことです。

①個人間のお金のやりとりでのストレスを減らす
飲み会やイベント等は楽しいものですが、その妨げとなるのは集金ではないでしょうか。個人間送金サービスは、このやりとりのハードルを下げました。Kyashでは、個人間送金サービスにありがちな本人認証をなくすことで、さらに下げています。

②店舗とお客さんの間での無駄を減らす
Kyashでは個人間でやりとりしたお金を活用して、スマートフォン1つで簡単に素早く支払いを済ませることができます。これにより、お店から行列を少なくしました。個人間送金を決済に活用させることで、お店に対してのソリューションも提供しています。

③感謝や共感、応援を新しい形で伝えられる
個人間送金により、個人・不特定多数と社会を繋ぐ敷居を下げることで、新しい形の投げ銭を行うことができます。例えば路上ライブ、近い未来でいうとオリンピック。プレイヤーに対して、応援の気持ちを個人間送金で気軽に渡すことで、投げ銭を個人間送金で簡単に実現できます。

効率性だけでない新しい価値の創造

矢部さんは「効率性だけを求めても、革新的なものは生み出せない」と主張しました。具体例として、産業革命の前後と現代に至る以下のフローを挙げて下さいました。

①職人の世界での長年のアップデート
②産業革命での効率化
③反発・抵抗
④デザインでの融合・創発

①の非効率性により、②で大量生産を行うことにしました。しかし大量生産により使いづらい粗悪品が増えてしまった影響で、③で芸術回帰運動が起きました。これにより手工芸における芸術性と効率性を融合させたものが④で生まれたデザインの概念です。デザインはアメリカにも渡り、航空業や出版業が生まれました。

過去の歴史で見ても、人に寄り添う気持ちや機能が備わることで新しい産業や文化が生まれたことは事実です。個人間送金で効率性だけを求めるのではなく、「誰かに伝える」情緒的な気持ちを加えることで新しい文化を生み出すのがKyashの目的とのことでした。

個人間送金の未来につなげるデザイナーの役割

市場に顕在化された課題がないサービスの場合には、いかに潜在的な課題感を想起できるサービスとなっているかが重要とのことでした。Kyashでは長期的なコミュニケーションという見せ方と伝え方で、目指す世界を共に創っていこうという意図があります。

サービスはしばしば鎮痛剤とビタミン剤に例えられます。鎮痛剤はmust to haveであり、無くてはならないもの。ビタミン剤はbetter to haveであり、あったらいいもの。個人間送金が提供するソリューションは一見ビタミン剤のようにも思えます。しかしお金は生活や人間関係になくてはならないものであることから、個人間送金は鎮痛剤になり得ると私は考えます。

個人間送金が鎮痛剤になるためには、もっと浸透してたくさんの人の身近な存在にならなければなりません。そのために、見せ方や伝え方をデザインする役職が求められているというメッセージを感じました。

法とクリエイティブの対位法|株式会社FOLIO 広野 萌さん

ワクワク感×高度な金融技術で革新性を生み出す。日本で10年ぶりに誕生したオンライン証券会社『FOLIO』でCDO(Chief Design Officer)を務める広野さんより、「なぜFinTechのデザイナーが頑張らないといけないのか」を内容としてお話いただきました。

理由を常に問い続けることが求められる

FinTech領域は、近年急激に盛り上がりを見せ始めましたが、旧来のしきたりが根強い金融業界と、クリエイティブが共存するFinTech領域、両者はどのように共存するのがいいのでしょうか。広野さんはUIとコンプライアンスでの一例を挙げてくださいました。

一見すると、デザイナーが作成したUIをコンプライアンスに見てもらい、法律に基づいた免責事項・注意事項を提示してもらうのが良い方法だと考えられるでしょう。しかし、これは違います。
FOLIOでは、サービス画面のデモ映像を公開する際、コンプライアンスに確認してもらいました。コンプライアンス側からは免責事項を入れて下さいとのこと。送られてきた内容をそのまま表示してみると、画面領域の大半を占めるボリューム感でした。

(FOLIOでの一例)

デザイナーが普段行なっている、フィードバックの本質を読み解く作業。コンプライアンスの提示も同じように、提示してもらったものの本質を読み解くことが求められます。

「法律に一番詳しいから」という理由でコンプライアンスにそのまま従ってしまうと、上記のようなユーザー視点が意識できていないことがしばしば起きます。
デザイナーはこれに納得してはいけません。コンプライアンスと意見を重ね、UIと免責事項に理由を作らなければなりません。FinTech領域にありがちなのは、法律に背くのが怖いからと過剰な予防線を張ることです。リスクを避けるのはわかりますが、過剰な予防線を貼るのは怠惰と言えます。そしてこの怠惰をなくすことができる存在がデザイナーです。

法とクリエイティブは対等である

登壇テーマとして挙げられているように、「法とクリエイティブの対位法」により良いプロダクトが生まれる、これが広野さんの考えとのことでした。

法律とクリエイティブは共に主旋律ですが、補完し合う関係であり、お互いを高め合う存在です。共鳴してこそ一つのプロダクトとなります。対立構造に見られがちですが、これは対等です。だからこそお互いの領域に踏み込んで理解し合う必要があります。

FOLIOでは実際に、サービスの利用規約やよくある質問の設計にもデザイナーが関わっているそうです。法律を学び、自分なりの解釈とセットでコンプライアンスと意見をしあうことこそがFinTechデザイナーに求められるとのことでした。

また、デザイナー視点ではUIから削った方が良いと考えられる要素でも、コンプライアンス視点では法律的に削れないものであることも度々あったそうです。これにもデザイナーは思考停止せず、法律を学び法的解釈を持ち、意見をしあうことが大切だと強く主張されていました。

デザインの力で金融革命を

FinTechとは、デザインの力を用いた金融の再構築です。現在までデザインの力で様々な分野のビジネスモデルが改変されてきましたが、ついに金融にもその流れがやってきました。

金融サービスは、どんなに簡単に作られていてもユーザーにとって難しく見られがちだそうです。例えば、証券会社では「難しそう」「複雑」「結局何ができるの」と見られがち。FOLIOでは、この側面をデザインの力で解決していくそう。難しく見られがちな側面を解決するには、デザインの力が必要であるというのが広野さんの考えだとのことでした。

最後に、法とクリエイティブは共に「国民経済の健全な発展」をゴールの一つとしているのではないかとのこと。目指す先が一緒ならば、お互い前のめりで攻め込むのが正しい姿ではないでしょうか、とまとめてくださいました。
広野さん、そしてFOLIOの熱量が溢れ出る、印象的なプレゼンとなりました。

ポジティブな「お金」の表現|株式会社バンク 河原 香奈子さん

先日サービス再開を果たした、目の前のアイテムが一瞬でキャッシュに変わるサービス『CASH』のデザイナー河原さんにご登壇いただきました。河原さんがアイスブレイクとして「CASHを知っている方」と会場内に問いかけたところ、ほぼ全員の方が挙手をされていました。

CASHが目指す世界

「少額資金の需要を瞬間的に解決する」がCASHの目指す世界です。お金とは、人生の可能性を広げるためのリソースの一つという考えのもとCASHは開発を進めています。CASHにより、あらゆるものの価値を素早くお金に変換することで、時間のショートカットや選択肢を増やすことができ、毎日を少しだけ豊かにする。そんな展望を描いています。

このコンセプトを落とし込む際に大切に感じたのは、デザインや見せ方だったそうです。世間一般のイメージとして、お金に関する話を積極的にすることはどうしても「汚い」と思われがち。そこでサービスの佇まいそのものをポジティブに捉えてもらえるような体験にするために、「ちょうどいいトーン」を探り続けているとのことでした。

直球 + 抜け感でちょうどいいトーンを探る

CASHをポジティブに捉えてもらえるような「ちょうどいいトーン」ですが、河原さんはこれを直球 + 抜け感で実現したとのことです。トーンとは人当たりのことだそうです。

①直球
CASHはお金のメタファとして黄色い丸を用いたとのこと。これには一般的にお金の色のイメージが黄色であること、硬貨を表す丸がお金を想起させやすいことがあるそうです。世間一般のイメージをそのまま使うことが直球であるようです。

②抜け感
河原さんのイメージでは、抜け感は優しい印象だそうです。例として、CASHではアプリケーション内のカラーに黄色だけではなく、ベージュやグレーを挟んでいるようです。これによりどこか優しい印象を持ちますよね。一方で、黄色に黒だけを用いると、道路にある警戒標識のような、危険を想起させてしまう可能性があるとのことでした。

CASHは当初、FinTech領域にありがちな青色ベースでデザインを進めていました。ただ私には、青色ベースでは機械的に感じてしまいます。CASHは提供サービス上、機械的な印象を与えてしまってはいけない。解決策として黄色を用いたところ、親しみやすさも表現できコンセプトにしっくりきたので、黄色を採用しました。

お金を得る実感の追求

お金の動きをよりリアルに実感してもらうために、CASHではアニメーション要素を多く取り入れています。例えば査定結果を出力する画面。こちらは技術的に、待ち時間なしで表示させることも可能です。しかしCASHでは、あえて数秒間の待ち時間を作っています。これには、お金に変わっている最中という実感をユーザーに持たせる意図があります。

査定額のカウントアップアニメーションも具体例として挙げてくださいました。リアルタイムで査定額が出るワクワクを演出することも、お金を得た!という実感につなげる意図があるようです。

CASHは、世の中に定着した、一時的ではなく日常的に使用されるサービスを目指しているようです。色使いやアニメーションをはじめとして、生活の中で自然に利用してもらえるようなサービスの佇まいの研究をこれからも続けていくとのことでした。

https://speakerdeck.com/kanakokawahara/cash-poziteibuna-ojin-falsebiao-xian

お金がコミュニケーションとともにあるためのUI|株式会社CAMPFIRE 小久保 浩大郎さん

株式会社CAMPFIREはクラウドファンディングプラットフォームの『CAMPFIRE』や『polca』をはじめとしたサービスの企画・開発・運営を行なっています。今回はCXO(Chief Experience Officer)の小久保さんにご登壇いただきました。

デザインとテクノロジーの関係性

私は仕事をするにあたり、「Tech × Design For People」というスローガンを持っています。現在はデザイナー寄りの職種でありながら、テクノロジーが先に来るのには明確な理由があります。それはテクノロジーこそがもっとも世界を変える力を持っているという考えから。デザインはこのテクノロジーをどう人々が使えるようにするかの役割を持っています。

ここで小久保さんが引用したのは、アメリカの学者であるアラン・ケイの「テクノロジーというのはあなたが生まれたときに存在しなかった全てのものだ」という言葉。この言葉を読み解くと、世の中に存在するものの大半はテクノロジーの産物であるとも言えるとのことでした。

お金も例に漏れず、テクノロジーの産物ではないでしょうか。お金が生まれたことで価値に対して直接の交換・計量・保存を可能にしました。お金のシステムは金本位制、政府や銀行による信用、国際為替相場によりベースが変化しつつあります。そして我々はなぜか流通しているお金の価値へ、信用を持っています。この背景や仕組みを考え出すと、お金は想像以上に難しい。

インターフェースは複雑さを隠蔽している

我々は、普段利用するサービスやシステムの仕組みの全てを理解しようとしていないし、見よう見まねでやってみて成功・都合がよかったらそれで良いとなりがちです。

「お金」の本質的な仕組みを見抜かずに使えているのは、複雑さを隠蔽する貨幣というインターフェイスが存在するからではないでしょうか。
そして最近では貨幣を使わず、家計簿アプリ上に表示される数値すらも価値として信用されています。このことから、お金は情報そのものであるというのが私とCAMPFIREの考えです。

CAMPFIREが目指す先

CAMPFIREやpolcaはプラットフォームなので、ユーザーと直接何かをやりとりする機会がないとのことでした。
ユーザー同士のやりとりが発生した場合にも、そのやりとりに対して介入できる機会はなく、やりとりの前後をプラットフォーム上でデザインすることしかできないようです。小久保さんは、これを「外部から刺激するためのインターフェイス」と称しました。

外部から刺激するためのインターフェイスを作る際に大切なことは、誰に対して提供しているのかということ。FinTechでいうと、新しいサービスをよく使う先進的な層を相手にするのと、使いたがらない保守的な層を相手にするのではデザインの仕方が異なります。今のFinTech領域では、どうしても先進的な層に向けてになりがちではないでしょうか。

小久保さん、そしてCAMPFIREが目指し、FinTechが推し進めている先は「寛容性があり、多様性を成立させ続けることができる社会」だとのことでした。
サピエンス全史では「貨幣は人類の寛容性の極みでもある」と述べられています。小久保さんは目指している社会を実現させる、次世代の貨幣に相当するインターフェーイスはどんなものなのか追求してるようです。

パネルディスカッション

お話いただいたみなさまに再度ご登壇いただき、パネルディスカッションを行いました。質問はtwitterで募集したり、会場のみなさまにも直接伺ったりしました。ファシリテーターを務めたのはGoodpatchのCEOである土屋です。

──土屋 サービスを作るにあたっての金融リテラシーはどれくらいでしたか。また、ご自身の資産が現金以外でどの程度あるのかも伺いたいです。

小久保さん 金融についてあまり知らないままCAMPFIREにジョインすることが決まったために、本を数冊読んで勉強を始めました。また、生の情報を得るためにGLOBIS知見録のFinTech関係の動画を見ています。資産は、半分くらい株で所持しています。

広野さん 既存の金融・投資サービスへの反発から作ったため、その気持ちを忘れないためにも、サービスを作り出してから1年は最低限しか勉強しませんでした。2年目からは証券外務員の本を読んで、資格取得の勉強を始めました。私自身証券会社にいる身でもあるので、資産の大半はロボアドと暗号通貨です。

河原さん 自分たちのサービスをFinTechだとは思っていなかったので、今まで勉強していませんでした。この登壇に向けて『決定版 FinTech』を読みました。現金主義なので、資産は全て現金と銀行預金です。

矢部さん 前職が受託会社のため何度か経験があったので、実務で覚えながらという形で勉強しています。また、社内Slackで情報がたくさん流れてくるので、興味あるものをさらに掘り下げています。仮想通貨を少し触ってみた程度で資産は現金と銀行預金です。

桜井さん もともと金融職出身なので勉強の仕方のアドバイスになりますが、金融業界の仕組みを本などで追ってみるといいと思います。また実際に投資にも触れてみましょう。私自身も資産の数十パーセントは有価証券と仮想通貨になっています。

──土屋 Twitterからの質問です。日本の消費者の行動変容を促していくということに関して一番悩んでいることはなんでしょうか?

小久保さん 向き合っていかなければならないお金の表現やお金に対する人の感情。お金の話をすると汚いと感じてしまうのが社会一般です。私の考えは「お金の有る無しで挑戦が制限されるべきではない」です。クラウドファンディングはともすれば単に「お金を下さい」と言ってるようにも捉えられがちなのですが、誰かの夢や挑戦を後押しすることがもっと気軽にできる世界を目指して行きたいと考えています。

広野さん 「投資って胡散臭くないし簡単だよ!」と直球で伝えても伝わらないことです。自分から進んで投資するような世界を目指すべきで、FOLIOではそんな世界を目指しています。

河原さん CASHは概念として新しいものなので怖がられることが多く、デザインでうまく表現しているつもりだがまだまだ仕切れていない点。「物の価値を変換する」ということをうまく言葉で説明するのも難しいなと感じています。

矢部さん 課題感としては、ユーザーの潜在的な課題にどうアプローチするかということです。直球でアプローチしてもうまく伝わらないので、主機能以外の機能で遠回りさせてでも個人間送金に繋げてあげる必要があるのかなと考えています。

おわりに

ご登壇いただいたみなさまに限らず、会場全体にとても高い熱量を感じるイベントとなりました。

ありがたいことに、UI Crunchは毎回多くの方にご来場いただいています。11回目の開催となる今回もとても多くの方にご来場いただき、立ち見となってしまう方もちらほらと見られました。今回ご来場いただいた方の職種は、「FinTech特集」ということでFinTechに興味があるデザイナーの方が大半を占めていました。実際にFinTechスタートアップで働いている方も数名見られ、金融機関の方々にも足を運んでいただきました。

FinTechはまだまだ始まったばかりの領域です。一方で、既に関わっていたり興味がある方々が、金融への体験を良くしようとする強い意志を持って開発に携わっていることを実感しました。

以上、UI Crunch #11のイベントレポートでした。ご登壇いただいたみなさま、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。来場できなかった方、興味がある方はぜひアーカイブ配信をご覧ください。

次回のUI Crunchもぜひお楽しみに!