500万人が利用する国内最大級のチケット売買サイトであるチケットキャンプのAndroidアプリ・iOSアプリがフルリニューアルしました。アプリならではの、安心してスムーズなチケット売買を実現するためにグッドパッチがデザインをサポート。
今回は、チケットキャンプを運営する株式会社フンザ代表取締役の笹森さん、Androidデベロッパーの関山さん、木下さんをお招きし、プロダクトに携わったグッドパッチのプロジェクトマネージャー兼デザイナーのカワマタ、Androidデベロッパーの荒武、デザイナーの野上にお話を伺いました。

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最初から、グッドパッチ一択だった

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— 早速ですが、グッドパッチをパートナーに選ばれた理由を教えてください。

—笹森さん
プロジェクトのキックオフがちょうど、7月。もう丸1年経つんですね。
チケットキャンプはその頃からテレビCMも放送していたのですが、当時はまだGoogle Playにフィーチャー(トップページに掲載)されたことがありませんでした。どうしたら掲載されるのか、知人に相談した時にマテリアルデザインが重要だという話をされたのリニューアルを試みようとしたきっかけですね。どこに相談すればいいか彼に相談したところ「グッドパッチ一択だよ」と言われて。それで相談を持ちかけたのがきっかけですね。そんなに人が薦めてくる会社ってどんな会社だろうという興味本位です。(笑)
チケットキャンプはC2C型のeコマースなのでユーザー間の決済額が最重要項目。方法が色々ある中でもアプリを使うストーリーにフォーカスしようと決めました。
売上を気にしなくていいゼロから立ち上げるフェーズのプロダクトではなく、もうすでに成果が出ているプロダクトなので失敗したらすぐわかってしまう状況だったんです。なので、プロジェクト開始時には、せっかくご依頼するのだから、目標は大きく決済額2倍つまりチケットキャンプ上で発生する決済額をデザインで2倍にしてほしいという高めの目標設定させていただきました。

—関山さん
当時のユーザー数でいうと、iOSに見比べてAndroidのほうが少なかったので、伸びしろの多いAndroidを伸ばそうという方向性になりました。最終的にはグッドパッチさんにリニューアルを依頼したAndroidが大成功したので、iOSも同じ方向性のデザインになりましたね。

おはようから始まるチームの1日

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—実際に、働いてみたチームについては期待通りでしたか?

—木下さん
以前から噂に聞いていたグッドパッチさんらしい、エンジニアとデザイナーが密に連携し合うフランクなチームでしたね。デザイナーにタスクとして作業を振るのではなく、ここをこうしたほうがよくないっすか?みたいな話を、気軽に話せる感じの雰囲気でした。プロジェクト開始と同時にSlackを導入して、どんどん話していくようなコミュニケーションの取り方をしていたのもその雰囲気作りに大きく影響していると思います。
元々弊社の開発体制は、デザイナーとエンジニアの関係値が近くはないカルチャーだったので、しっかりチームビルディングをしていただいたおかげで、かなり柔軟なチームの基盤ができました。

ー笹森さん
僕も開発会社とか外部のデザイナーと何度も仕事したことあるのですが、プロジェクトマネージャーのカワマタさんを最初にすごいなと思ったのは、朝早い時間にSlackで「おはようございます!」とか言ってくるところですね。

—カワマタ
え?普通じゃないですか?やっぱり朝は「おはよう」から始まらないと引き締まらないですよね(笑)。

—笹森さん
今日の仕事が始まったこの瞬間から、あなたのことを考えますというメッセージのように感じてチームなんだという意識を強く持てましたね。この挨拶のおかげでカワマタさんの仕事スイッチ入ったのがわかって、僕たちも自然とスイッチが入るんですよね。それがチームとして働く上で、すごく心地よかったです。

いいチームを作るためのデザインキックオフ

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全員の向かうべきところを明確に言語化してKPIを立て、達成のためのチーム作りを行ったチケットキャンプチーム。
会社をまたいだチームでも、壁をなくして品質向上だけにフォーカスしたことにより、純粋にプロダクトに向き合う姿勢が生まれました。チームメンバーの役割を被らせずに、明確に分け自分がこの仕事をやり切らなくては達成できないという意識のもと、プロジェクトを進めたことも成功の大きな要因です。
グッドパッチには、オリジナルのデザインプロセスがあります。その中でも特徴的なのは、デザインキックオフとチームビルディング。「偉大なプロダクトは偉大なチームから生まれる」という行動指針を持つグッドパッチのデザインプロジェクトは全てこういった入念なチームビルディングのもと、実施されています。

デザインリニューアル後、決済率が30%増加

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—デザインの成果は数字に表れましたか?

—関山さん
実際に、一番数値が上がったのは、購入までの導線です。決済画面は今回のリニューアルに入っていないので買うまでの流れの導線が、決済率という数字に結びついているんだと思います。
欲しいチケットを検討リストに登録する人が7倍になって、入荷のお知らせを受ける人が3倍になりました。さらに、決済率が30%増加しました。

—カワマタ
ストーリーが数字に繋がっているということは、つまりユーザーがハートを揺さぶられて、ストーリー通りに動いている。僕たちの描いたストーリーとデザインにユーザーがフィットしているということが証明されましたね。
フンザさん内では、ユーザーインタビューやリサーチはされていたのですが、もう一度リアルな声を、第三者の僕たちがしっかりフンザさんに届けることに意味があるのではと思い、調整から報告まで1週間でやりきりました。
もともと持っている情報を、資料でいただき参考にしてデザインするのではなく、デザインする僕らが生の声を聞くっていうのは情報の鮮度が全然違うんです。デザインをするには「自分ごと化」が重要だと思うのですが、自分ごと化をするために一番良いのが、自分たちの足を動かして生の声を聞いてきたという体験なんですよね。

—荒武
聞いてきた生の声は、僕のようなデベロッパーもその場に同席しているので、抜け漏れなく、実際のUIのアイデアにもかなり生かされています。リニューアル以前から「チケットが探しにくい」という漠然とした課題感をフンザさんも持たれていたとは思うんですけど、実際にユーザーに生の声を聞くと、チケットが探しにくいというのはやっぱりみんな言っていたんですよね。

—カワマタ
自分がターゲットユーザーではなかったので、どこが使いにくいなど説明されても事実の情報としてしか受けとめられないと思うのですが、インタビューでこういう視点でこう比べて、こうやって買っているんだ。こんな世界を持つ人たちもいるんだ。それは確かに!というように自分の中に情報がスッと入ってきて、それがデザインに活かせられたのがとても良かったと思います。

—笹森さん
インタビューの際に、チケットキャンプをしっかり使い込んでいて、チケットキャンプでいつもチケットを買っているという熱心なユーザーだけを集めてきたんです。やっぱりそれも正解だったなと思います。

課題から見えてきたコンセプト

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ユーザーインタビューを行い、生の声を聞き、ユーザーの声を自分ごと化する作業。このフェーズでメンバー全員が、ユーザーから得た言葉を自分の中に入れ込むことで自分ごと化でき、ユーザーの求めているコンセプトを導き出すことができます。

チケキャン使ったらライブに行く回数が増えた!

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—リニューアルしてからユーザーの反応はありましたか?

—笹森さん
確実に変化したところといえば、Google Playの星の数ですね。今までずっと3.9で、4の壁がどうしても越えられなかったんですよ。でもリニューアル後、少しずつ積み上げてきて、今は4以上ありまして。

—カワマタ
リニューアルされたアプリがリリースされてから、ずっと見ていました。4になれ、4になれと。数字が上がるということは、使いやすくなったとかいう声が数字として可視化されていることだと思うので、すごく嬉しいですね。

—笹森さん
アプリをリニューアルすると必ずカスタマーサポートチームに意見やバグ報告、不満なども全て逐一連絡を入れて欲しいと依頼しているのですが、今回その中でクリティカルなものは何もなくて。仮説検証はうまくいったという意味で満足度は高かったんじゃないですかね。ユーザーは、わざわざ褒める連絡はくれませんからね(笑)。

個人がプロフェッショナルとして集うチーム

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—ここまでくるのには、ピンチもあったんでしょうか?

—関山さん
実装のスケジュールは、かなり巻きましたね。あとは、フンザ側のデベロッパー不足がありました。デベロッパーが足りないなら、限られたリソースの範囲内でできることをやるし、その中できちんと丁寧にデザインをつくり込むこともやっていきましょうと。大きくずれずに、大きく変えずに。なので、僕たちもプロフェッショナルとして、決められた時間で一定の成果をしっかり出し切るということができましたね。

—カワマタ
チーム全員が、プロフェッショナルでした。例えば、プロダクトの方針を決めなきゃいけないときは笹森さんが決めてくださるし、デザインの方針決めなきゃいけないときは僕が決める、デザインのディティールを決めなきゃいけないときは野上が決める。野上がデザインするものは荒武がデベロッパーとしてサポートするし。やるべきことをやるべき人が、役割がかぶらずに存在している、そんなチームです。
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—荒武
今回、僕はAndroidデベロッパーとして手を動かすのではなく、マテリアルデザインのアドバイザー、技術サポートとしてプロジェクトに携わっていました。もちろん打ち合わせにも全て同席するのですが、基本的にミーティングではカワマタと野上中心に話してもらい、僕は議事録を取ったり、それを編集してドキュメント化していました。資料の整理とかも頼まれたわけではないんですけど、あったほうがいいだろうと思って、やってみようと思ったんですよね。全体を見て、デベロッパーの視点でプロジェクトを俯瞰して、足りないところを補うみたいなデベロッパーとしてプロジェクトをマネジメントしているような感じですね。

—野上
デザインに関しては、毎回カワマタと私の2名で別々の案を出していました。
社内で出来上がったら互いにフィードバックを行い、そこから更にブラッシュアップして…。そうやって競いながら、お互いのデザインの良い所がマージされたのが、最終的なデザインです。

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—カワマタ
僕たちは、プロとして依頼されているので、なんとか改善しなくちゃいけないという既存のものを覆そうとする気持ちが働くのですが、ヒアリングを重ねて、アプリを触っていくと、既存のアプリがすごくよくできているのがわかるんですよ。穴だと思ったら、すでに掘られた落とし穴だったみたいな。

—荒武
そうですね。こうしたほうがいいんじゃないかと思って議論を始めると、結局たどりついたのがすでにある状態に戻ってくるみたいなことが何回もありましたね。
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—野上
私は、プロジェクトの中盤で笹森さんからドラスティックな変更を望んでいるわけじゃないと言ってもらったことがターニングポイントになったと思っています。最初の期待値が大きいだけに、小さな改善だけでは期待に応えられないのではないかと思い込んでいたのですが、そうじゃないとはっきりって言ってもらえて。そこから軌道に乗ったと思いますね。

—カワマタ
そうだね。最初は、今までを全て覆したいという想いが強かったんですが、今回の場合は、小さな積み重ねと丁寧な作り込みがプロジェクトのゴールである決済率アップに直接結びつくのだろうなと思って、それに徹し始めてからは早かったですね。

デザインコンセプトをUIデザインに落とし込む

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ユーザーストーリーに沿った動線である検討、検索、購入のステップを入念に整理し、目標の売上2倍に直結する決済のステップはよりユーザーが行動しやすいようにデザインを作りこみました。デザイン案を明確に住み分けした状態で2案提示することで、双方の良い部分をマージしたデザインに。
マテリアルデザインのアドバイザーがプロジェクトにコミットすることで、デザインの段階から実装の可不可を把握できていたため、デベロッパーにデザインを渡してからは、手戻りがありませんでした。不安になる要素をなるべく排除し、デザインコンセプトである「安心&早ピタ」に忠実にデザインに起こしました。

そしてついに念願のGoogle Playに掲載

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— このプロジェクトのきっかけ、GooglePlayに掲載されたんですよね!

—カワマタ・荒武・野上
これは、めちゃくちゃ嬉しいです!!!

—木下さん
夢のような1年間でしたね。実は、僕は異動をして今回たまたま担当になったのですが、グッドパッチさんが一番最初のパートナーなんです。憧れのチームと一緒に仕事ができたということすら運が良すぎることなのに、Google Playにも掲載されるなんて…。本当に異動できてラッキーでした。

—笹森さん
ここまでくるのに時間はかかりましたが、ついに掲載できました。グッドパッチさんの特徴でもあるパッションとも表現できると思うのですが、目標に対して、常に前のめりな雰囲気があって、チームとしてうまく機能した結果が成果に結びついているのではないかなと思いますね。

チケキャン卒業証書

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—カワマタ
卒業おめでとうございます。プロジェクトが終わってしばらく経つので、久しぶりにお会いするなと思って、ふと思い立って朝早起きして作ってきました。卒業証書です!

—笹森さん、関山さん、木下さん
おおお。これはすごい。めちゃくちゃ嬉しいですね。
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—カワマタ
僕は今回のように高い目標を設定されたら、本当のチームになっていないと絶対にいいものができないし、目標を達成できないと思っていて。だから、できるだけ距離を縮めて、木下さんをキノピーって言うぐらい関係性をつくるというのが一番重要だと思っていたんです。
挨拶とかも、実は裏を返せばそうなんですけど。その関係値をできるだけ早く築いて、優秀なメンバーたちが、プロダクトのことに集中ができる状況をつくるということだけが、僕の役割だと思っていました。なので、その気持ちを元に最後の贈り物をと思い準備してきました。

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—木下さん
プロジェクトの最初にグッドパッチさんと一緒に決めた「チケキャン使ったらライブに行く回数が増えた!」というコンセプトは、プロジェクトが終わった今でもよく使います。そしてユーザーからも一番多い声がこれです。

—カワマタ
それは嬉しいですね。もともと目標は2倍というものですが、よくよく聞いてみると、実はチームのみんながユーザーに体験して欲しいことというのは、ライブに行く回数が増えるとか、新しいアーティストのファンになるとか、今まで知らなかったアーティストに出会えるといった体験をチケットキャンプというプロダクトは届けるべきだと確信したんです。
笹森さんもプロジェクト開始時に「僕たちは文化をつくりたい」とおっしゃっていて、それが鮮明に頭に残っていました。

—笹森さん
チケットといえばチケットキャンプみたいな。チケット買うならチケットキャンプ。そういうサービスをつくりたかったんですよね。一人でも多くの人に使っていただき、新しい文化の一つにチケットキャンプは入り込んでいきたいと思います。

Google Playにフィーチャーされ、テレビCMも放送されているチケットキャンプの勢いはまだまだ止まりません。

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