ユーザー視点でデザインするログイン画面とは?

こんにちは。
皆さんは新しいサービスを利用する際に、FacebookやTwitterのアカウントを使って、新規登録プロセスを簡単に済ませたことがありますか?

Facebookアカウントを使ってInstagramにログインする例

上の画像のように、ソーシャルアカウントを使って簡単にアプリへログインできる機能のことを「ソーシャルログイン」といいます。
私はソーシャルログインを便利だと感じていて、その選択肢が与えられた場合にはよく利用しています。ですが、アメリカ人の同居人とアプリについて話をしていた際に、

「Facebookでログインというボタンを見るとアメリカ人は一気に不信感を抱くよ。Facebookはほとんどの親戚とつながっているから、紐づけたら何が起きるか怖くなる。」

と言われて、驚きました。あんなに便利なものを使わないなんて…!

そこで日本のユーザーも同様の不安を抱くのかをリサーチしてみたところ、さまざまな声を聞くことができました。今回はソーシャルログインのメリットとデメリットに加え、どのようなログイン画面がユーザーにとって親切かについて考えていきます。

ソーシャルログインのメリット

ソーシャルログインを導入する主なメリットは、個人的には以下の2つがあげられると思います。

ユーザビリティの向上

WebHostingBuzzによると、アメリカの86%のユーザーがアプリの登録フォームの記入にストレスを感じているそうです。これはアメリカに限らず、どの国のユーザーにとっても共通する感覚でしょう。この面倒である登録プロセスを簡易化することによって、ユーザーはよりストレスを感じずにログインすることができます。サービスによっては、登録プロセスで1番離脱をしようと感じるユーザーも多いです。ソーシャルログインは、ユーザーにとって「ほぼ登録プロセスがないに等しい」登録方法の1つです。

パーソナライゼーション

例えば、ユーザーがFacebookのアカウントを使ってInstagramを利用したとしましょう。すると、InstagramではFacebookで友達になっている人が自動で表示されます。このように、あえて検索をしなくても、友人を簡単に見つけて、新しいサービスの中でもつながることができるのです。
また、利用するサービスによっては、連携されたプラットフォームからユーザーの嗜好を学び、ユーザーにあったプランやサービスを提案してくれる場合もあります。

ソーシャルログインのデメリット

メリットばかりに思えるソーシャルログインですが、登録を容易にできるからといって、アカウント連携を何も考えずに行うことは危険です。最も考慮すべき点としては、「情報の流出」があげられるでしょう。

例えば、あるサービスにFacebookのアカウントを利用してログインしたとします。すると、仮にそのサービスが悪質なものであった場合、多くの情報が蓄積してあるFacebookのアカウントも危険な状態にさらされるというわけです。
このリスクをたった数回のクリックが背負っていることを、ユーザーは念頭に置いておくべきでしょう。

インターネット調査からみえたソーシャルログインの危険性

世間のユーザーがどのような懸念を抱いているのかをインターネットで調べてみたところ、さまざまな不安が見えてきました。Twitterでは「ソーシャルログインは便利だけど、障害が紐づけたアカウント全てに及ぶのは怖い」という声や、「ソーシャルログインはどういった情報にアクセスされるか不明瞭で信用できない」という声が多くありました。確かにメリットとデメリットを比較すると、ログインが容易であることしかメリットはなく、逆にログイン先サービス側にアクセス権限を与えて「流出するリスク」を背負う方がユーザーにとっては大きな負担となるでしょう。

ユーザーに聞いてみた

社内の何人かに実際に「ソーシャルログインを使っているか?」と聞いてみたところ、先ほどのインターネット調査とはうらはらに、「Facebook連携であれば使う」と回答した人が最も多かったです。理由としては「Facebookアカウントからいつでも連携を切れるから使う」や、「成熟したプラットフォームなので、比較的安心感を抱ける」などがあがりました。

逆にFacebookでログインをすることについて「就活サイトなどでは個人情報を知られたくない」や、「勝手にSNS投稿されてしまう」という不安の声も少数ありました。
ユーザーがFacebook連携に対して安心感を抱くと同時に、不安も感じているのは確かでした。
では、どのような姿が「ユーザーにとって親切なログイン画面」なのでしょうか?

ユーザーにとって親切なログイン画面

結論は、ユーザーの属性によりソーシャルログインへ抱く感情は異なるため、断定することは難しいです。1つの連携に対して不信感を抱くユーザーもいれば、信頼感を抱くユーザーもいます。

私が思う最適なソーシャルログインは、「利用しないユーザーへのオプションも残しておく」デザインです。ソーシャル連携のみがログイン方法のUIをたまに目にしますが、連携を嫌がるユーザーはすぐさまアプリから離脱してしまいます。

調査後、ソーシャルログインの選択肢に「Facebookがあるべき」と断言はできませんが、同様の大きなプラットフォームに、ある程度のユーザーが信頼感を抱くことはわかりました。また、いくつか選択肢が用意されているよりも、Facebookのような巨大プラットフォームを1つ選択肢としておくことで、ユーザーの迷いや不安を大幅に解消できそうです。

したがって、Instagramのログイン画面のように、Facebookという1つの選択肢と、利用しない人への別の選択肢を置いておくことが、個人的には最適であると考えました。

Instagramの2017年8月時点でのログイン画面

しかしながら、先に述べた「プラットフォームの連携による情報流出の可能性」が潜在することは、どんなアプリを利用するときも留意すべきでしょう。

まとめ

一見何も心配せず、登録プロセスを容易に完了できるソーシャルログインですが、使う際には最大の注意を払うべきです。大前提として、ソーシャルログインを使って登録をするアプリ自体が悪質でないことが挙げられますが、連携後の情報流出の可能性にも留意するべきでしょう。

私個人が導き出したソリューションは、異なるプラットフォームが、なるべく統一したソーシャルログインの方法を設計するべきということと、ソーシャルログインを利用しない人にもオプションを残しておくべきということです。上で挙げたように、Facebookのような巨大プラットフォームを、なるべく多くのプラットフォームにおける共通のログイン方法とすることで、ユーザーの不安を取り除き、信頼を獲得することができそうです。

今回は「ユーザーにとって親切なログイン画面」という視点で私個人の考察を書かせていただきましたが、ソーシャルログインについてより詳細にディベロッパー視点で語られている記事は、FEEDMATIC BLOGの下記記事をご参照ください。

(参照記事:ソーシャルログイン導入の現場から学ぶ~導入時押さえておきたいポイントと躓きがちなポイントとは

ABOUTこの記事をかいた人

keika

'94年生まれ。中国と日本のハーフで、1歳から18歳までを中国・上海で過ごす。2016年にロンドンで写真・デザインを学ぶ。グッドパッチが注力しているFintechと、国外のデザイン組織情報を中心に発信。