2面性を持ったCtoCサービスでの設計と開発って? Prott User Meetup vol.21イベントレポート

ProttはUser Meetupを定期的に開催して、サービスの開発・改善に欠かせないユーザーの皆様の声を直接聞く機会を大切にしています。

またユーザー同士でProttの活用方法を共有することもUser Meetupの目的です。

今回は、2017年6月20日(火)に開催したvol.21「C to C特集」のイベントレポートをお届けします!
本イベントでは、C to Cサービスならではの特徴である、ユーザーがものを売る側と買う側の2面性を持っていることを踏まえた上でどのようにサービスの設計・開発を行なっているかをお話しいただきました。

また、前回のPrott User Meetupからの新たな試みとして、リアルタイムでグラフィックレコーディングを行ないながら開催しています。
今回出来上がったものは、記事の最後にご紹介します。

「ユーザーとともに成長するCtoCサービス 〜チームで実現するスピード感ある開発〜」|株式会社Labit 鶴田様、中山様

本屋での体験をスマートフォンに落とし込む、本に特化したフリマアプリ『ブクマ!』を運営している株式会社LabitのCEO・鶴田さん、デザイナーの中山さんよりお話しいただきました。Labitさんは、「世界観を提案する」というコンセプトでものづくりを行なっています。

ブクマ!の紹介

ブクマ!は、ユーザー同士が本を売買するCtoCサービスです。本の業界の特徴に目をつけ、古本市場の体験をより良いものにできないかという観点から、本に特化したフリマアプリを作ったそうです。
ブクマ!の一番の特徴は本の出品が簡単だという点。従来のフリマアプリでは、ユーザーは売りたい商品の写真を撮って、タイトルと商品説明を書き込む必要がありました。そこで、ブクマ!では本のISBNコードに基づいたデータベースを作成することで、バーコードを読み取るだけで商品情報を呼び出し、価格・商品の状態・簡単な説明を入力するだけで出品を可能にしました。

現在は「スマートフォンで本を買う」時に純粋想起されるようなアプリを目指しており、新刊の取り扱いなどにも取り組んでいます!

C to Cサービスの特徴

ユーザー同士がやりとりを行うサービスの落とし穴として、ユーザーは売り手にも買い手にもなりうるのでユーザーストーリーが2倍になる点を強調されていました。想定していなかった使い方をされるトラブルが多く、CtoCをデザインする際には自分の常識レベルと感覚を捨てることが大切とのことでした。

また、UX設計の際に当たり前のように作るペルソナですが、ブクマ!においてはペルソナを作らないで開発を進めているそうです。
CtoCは利用者層が幅広く、ターゲット層も最初に想定していたものと異なったものになることが多いそうです。
開発初期段階ではペルソナを作って進めていたそうですが、頭の中で考えをペルソナに引っ張られてしまうことが多かったので、あえてペルソナは作らずに固定観念を持たず開発を行うことが大切とのことでした。

改善事例

ブクマ!では数値分析だけでなく、ユーザーの存在を非常に大切にして開発に取り組んでいます。印象的だったのは、「人間だから感性もロジカルな部分も両方大切」という言葉でした。
これらを踏まえた上で、実際にブクマ!で行なった改善事例を2つ挙げてくれました。

1.キャンセルボタンの実装
「普通は気軽にキャンセルしないよね」という自分の常識からキャンセルボタンは実装していなかったのですが、実際には初期のお問い合わせのほとんどが購入のキャンセルについてだったようです。
そこで、Prottで改善案のプロトタイプを作りテストを行なったところ、ユーザーにはキャンセルボタンが必要だと判断したため改善案の実装をしたそうです。
結果的には前週対比で大幅にお問い合わせが減ったようで、プロトタイプの重要性がみなさまにも伝えられました。

2.タイムラインのパーソナライズ
ユーザーの中にはタイムラインの流し見をする人が多かったようで、タイムラインをパーソナライズすることで、「いいね!」や購入に繋がるのではないかという仮説から、テストを行うことにしました。
実際のタイムライン上でA/Bテストを行なったところ、特に効果があったものは男性には男性向けの商品を、女性には女性向けの商品を見せる「性別の最適化」だったそうです。

Prottの使いかた

1.ダブルスタック業務での活用
別のサービス開発での事例となりますが、0→1フェーズでの開発の際にデザイナー2人をワイヤーフレーム担当とレイアウト担当で分けてダブルスタックでデザインをこなすことで、効率よく進めることができたそうです。

2.社内・クライアント・投資家へのプレゼン
社内やクライアント・投資家へのプレゼンの際に目に見えるものを提示することで、差し戻しが減ったそうです。もっと前から知りたかった、とのことでした。これは起業家である鶴田さんが冒頭でも一番伝えたいこととして挙げていました。

「 作り手が生き生きしているとサービスも生き生きします!」との言葉で締めていただきました。

「monomy式、小学2年生でもブランドオーナーになれるアプリの作り方」|株式会社FUN UP 山口様

続いては株式会社FUN UPのCEOである山口さんよりお話いただきました。「モノづくり×デジタルで製造販売の当たり前に革命を」というビジョンを掲げるmonomyを運営しています。

monomyの紹介

山口さんが感じていた国内製造業の大きな問題点は、職人から消費者に届くまでの工程が多すぎる点。工程が多ければそれだけコストもかさみ、中間マージンもとてもかかってしまい、結果として商品の価格が高騰してしまいます。monomyはこの既存の工程を効率化した、モノづくりサービスです。
monomyの特徴として4つのポイントをお話しされてました。

1.オリジナル
自分のオリジナルブランドをスマートフォン上で作れる。

2.マーケットプレイス
自分のブランド作品が購入・販売・共有できる。

3.売上インセンティブ
10%の売上インセンティブを獲得できる。

4.クウドファンディング(テスト運用中)
ロット制によるクラウドファンディングでみんなが欲しいものをお得に購入できる。

monomyはこれらの特徴で、モノづくりユーザーと製造工場・職人との架け橋になっています。

また、「monomyは小学生から60代まで世界中で使われるアプリにならなければいけない」という言葉がとても印象的でした。文字や言葉が通じなくとも、UIだけでモノづくりができるサービスを目指しているそうです。

感情値を大事にしたUI/UX設計

monomyでは、ユーザーの作る楽しさを非常に大切にしているそうです。サービスとしては、ユーザーが実際にアプリケーション上でモノづくりをして投稿してもらうまでを重要としていて、そのためにアプリケーションの初回ダウンロード時のガイドラインを小学生でも分かるようなものにして、アプリケーション上でのモノづくりの入り口のハードルを下げたそうです。
ガイドラインの導入により投稿率も上がったようで、monomyでは小学2年生でもわかるUI/UXを常に問い続けているとのことでした。

UI/UXを問い続けていく中で、感情値という概念を大切にしてうまく活用しているとのことでした。感情値とは、人間の「嬉しい」などといった感情を数値化したものです。monomyではサービスにおいて、この感情値の数値アップを常に追い求めているとのことでした。

制作においては、3つの工程に分かれています。

1.ディレクターが思い通りにプロトタイプを作成

2.作成されたプロトタイプに社内レビューを行う

3.レビューをプロトタイプに反映させる

1を行なった後、2と3を繰り返して完成させていくそうです。この際のレビューはどんなに些細なことや個人的な感情のことでも挙げてもらっているようです。
実装前からこのレビューをたくさん行なって反映させることが大切だとしており、monomyではprottを用いて社員に向けてレビューを行なっているとのことでした。
レビューはユーザーの思いです。数多くのレビューをサービスに反映させていくことで、感情値を上げていく仕組みを作っているようです。
ユーザーにちょっとした不満すら持たせないことは、よりモノづくりに集中させる環境を整えてあげることの一歩なのではないでしょうか。

「質の高いフィードバックのもらい方」|グッドパッチ 内田

今回はProttニュースとして、ProttのUIデザイナー・内田より、Prottの開発をどのように行なっているかをご説明しました!その内容もみなさんにお届けしたいと思います。

グッドパッチでは、偉大なプロダクトは偉大なチームから生まれるという価値観を大切にしています。その理由は良いチームは良いフィードバックをくれるからだとし、それによって良いプロダクトが生まれます。

良いフィードバックとは、ユーザーの視点から見たものと、デザイナーやエンジニアなどが専門的な視点から見たものの2つです。チーム内で、この良いフィードバックが貰えない時の原因は以下の点です。

1.ユーザー視点ではなく私見を言う

2.影響力のあるメンバーだけが意見を言う

3.誰かの意見に引っ張られる

これらの原因により、意見がまとまらないことが多いようです。頭ではユーザー中心だと理解していても切り分けるのは難しいことがあり、デザイナーはデザイナーとして、エンジニアはエンジニアとして自分の立場で考えがちです。この解決策として、Prott開発チームではチームメンバーにユーザーテストを行い、実際にユーザーとして使ってみることで、ユーザーの視点を持つようにしています。これにより、チームメンバーを巻き込んで質の高いフィードバックをもらって開発を進めています。

参考:クリエイティブなコミュニケーションをデザインする -本当のフィードバックとは-

また、Prottの新機能であるタイムトランジション機能の実装と、プレゼンモードへログインなしでコメントできる機能についてご案内しました!
これまではProttへログインしないとプロジェクトへコメントすることができませんでしたが、
今回の機能により、Prottアカウントをお持ちでない方からも広くコメントでフィードバックをいただけるようになりました。

参考:Prott Blog – タイムトランジション機能をリリースしました🎉
参考:Prott Blog – Prottで共有されたURLからアカウントなしでコメントできるようになりました🎉

Prottはユーザーの視点を大切にして開発を進め、より進化していきますので今後のアップデートもお楽しみにお待ちください!

さいごに

トークセッション終了後、リアルタイムのグラフィックレコーディングが完成しました!今回の懇親会でも、グラフィックレコーディングの前にはたくさんの人が集まり、みなさまで内容を振り返っている姿が印象的でした。

以上、Prott User Meetup vol.21のレポートでした。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

私たちProttチームは、今後もユーザーの皆さまと一緒になって開発・改善を進められるよう、User Meetupを開催する予定です!

こちらのイベントページにある「メンバーになる」ボタンを押していただけると、今後Meetupを開催する際にお知らせが届くようになります。

Prottのことをあまり知らないという方も、過去に参加したことのある方も、是非お気軽に遊びに来てください!

ABOUTこの記事をかいた人

Hiroto Fukada

'95年横浜生まれ。商業高校卒業後、美術大学でメディアデザインを学ぶ。グッドパッチでは自社プロダクトに関する記事を中心に発信。