なぜデザイナー達は「クールじゃない」業界に移動しているのか?

世界初のオンデマンド保険プラットフォームTrovのChief Experience OfficerであるDane Howard氏は、2016年12月14日に“Why Designers are moving to ‘uncool’ industries.”というブログ記事を発表しました。
本記事は、本人の許可を得た上でそれを日本語翻訳、一部編集したものです。

楽観的にさせてくれるサービス(保険と資産管理)は、リスクを取ることも可能にしてくれる。(画像は元記事より転載)

ほとんどの人々は、保険業界を「クールだ」とは考えないだろう。投資、交通やホスピタリティ業界もそうだ。けれども、日々の生活を考えた時、これらの業界において人々の生活を一変させたAcronsやUber、Airbnbといったテクノロジーが頭に浮かぶだろう。
こういったビジネスや業界に共通しているものは何だろう。一見分からないかもしれないが、表層を捲ってその下を覗いてみると、どれも既に日常に溶け込みつつあるサービス群だ。それらの全てにおいて、ディスラプション(訳注:崩壊、途絶)の機が熟したのだ。

デザイナーたちの楽観主義に足を踏み入れよう。

過去数年の間に、デザイナーたちは変化の触媒となり、かつて停滞していた業界の考え方を変貌させ、ビジネスと消費者双方に対して真の価値を作り出すためのイノベーションの原動力となった。彼らはデザインを気にかけるCEO達に見出され、投資やヘルスケア、インフラや保険といったグローバルな業界に変化をもたらすために、今や同じテーブルに席を設けている。彼らのようなCEOへの助言者達は、より良いカスタマー・エクスペリエンスをデザインすることで業界の変貌を促している。

Trovで構築しているのは、人々が自分にとって大切なものを守れるようにするためのテクノロジーだ。私たちがこれを行うのは、ねばり強さと楽観主義が希望を運ぶと信じているからだ。人々がリスクを取れるようになる希望、それこそが人類を前に進ませる。

楽観主義が希望を運ぶ。希望によって、人々はリスクを取ることが可能になり、人類は前進することができる。

これまでのキャリアを通して、私自身の「クールじゃない」企業や業界に対する考え方は変化し、優れたデザインがビジネスに影響を与えるという考え方に順応してきている。「スタイリッシュじゃない」業界群にも価値があることが分かるようになった。かつて、屈強かつ収益を上げているビジネスはデザインを必要としなかった。しかしいま、彼らはデザインを手に入れるために争い合っている。

業界がデザインを切望している幾つかの理由は以下のとおりだ。

1.カスタマー中心であることはディスラプティブだ

これまでにないほど、伝統的なビジネスモデルはディスラプトされつつある。そういった業界は、カスタマー・エクスペリエンスを中心に据えた新しいビジネスモデルへと変貌していっている。(訳注:2016年度版の)Design in Tech Reportが伝えるところによると、Gartner社が主張するのは、コンペにおける根本的な基礎はカスタマー・エクスペリエンスになるだろう、と89%の企業が信じているということだ。これはたった4年前に比べて36%も上がっており、どう見ても驚異的な統計だ。

もしあなたが2009年に、有料交通や「タクシー」業界で働きたいかをデザイナーに聞いたとしたら、馬鹿にされたことだろう。現在、UberやLyftは交通をクールな業界にしている。両社ともに世界随一のデザインチームを抱えており、彼らはオンデマンド交通がタクシーに代わり、ドライバーと乗客の双方にとってより良い選択肢となることを目指している。エクスペリエンスとエコシステムに幾つかの変化を加えるだけで全てをディスラプトすることが可能であり、もっと大切なのは、そのディスラプトはスケールするということだ。

どんな業界であれ、大刷新の最中で見出すことができるのは、より共感的で心強く感じる体験だ。それらはカスタマー中心主義の企業によって可能になったものだ。

2.デザイナー達は「好奇心旺盛」かつ「楽観的」だ

好奇心を持って考える人々は、行く先々で問題を見つける。明らかになったのは、「クールじゃない」業界は特有の問題を多く抱えていて、その中には異なる時代やインフラの名残も一部あったということだ。これはデザイナーにとって、クリエイティブな解決策を見つけるための興味深いチャレンジである。
好奇心と楽観主義が出会う時、あなたが手にするのは希望だ。この希望は、リスクを取ることを形づくる基本的な信念を作り出す。私たちが旅に出て存分に世界を体験する時、それは本質的に、家にいる時より「もっとリスキー」だ。これが、私たちにリスクを取らせてくれるサービスへと立ち戻させる。巡り巡って、保険や財産管理、交通やホスピタリティーへと立ち戻らせるのだ。
これらのサービスにおける再発明の機は熟している。なぜなら、指先からオンデマンドで呼び出せるからだ。

3.歴史的かつグローバルなインパクトには伝染性がある

伝統的に言って、大企業で働くことは、大きなインパクトを作り出せることを約束する。企業カルチャーの干満によっては、会社の好機に出会えるかもしれない。Appleにいたことがあったって?何年から何年まで過ごしたの?Yahooにいたんだって?何年から何年まで過ごしたの?電子工学やソーシャルメディア、ソフトウェアの世界は今をときめいているが、歴史的な視点から見れば、まだ若い業界だ。

今こそ、 新しい何かをデザインし、業界に本物のインパクトを与える絶好の機会だ。個人投資は抑圧的な業界だ。金融アドバイザーの厳しいコントロールと、近寄りがたいデザインは何年ものあいだ障壁となっていた。しかし、それはFacebookのデザイン・リーダーだったKate Aronowitzの登場とともに変化した。Kateはいま、Wealthfrontのデザインチームを率いており(訳注:Kate Aronowitzは2016年12月にWealthfrontを退職、現在はフリーのアドバイザー)、彼女のチームはシンプル・デザインの法則を使用し、投資を全ての人にとって親しみやすく、威圧的でないものにする手助けを行った。
Kateは他の多くの人々と同様に、金融や保険、VCといったクールじゃない業界に対する見方を変化させている。こういったデザイン・リーダー達は、興味深い問題を認識し、才能ある人材をそういった問題に惹きつけさせるための経験とリーダーシップを兼ね備えている。間もなく、私たちは業界をクールかクールじゃないかといった視点で考えなくなるだろう。むしろ、私たちはデザイナー達を見ながら、「今度はどこに行くのだろう?」と考えるようになるだろう。

このトピックについて、何か思うところはあるだろうか?いま現在ディスラプトされている「クールじゃない」他の業界はあるだろうか?是非教えてほしい。

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